「乳幼児期に大切な口腔機能と身体のつながり」

RHajime Blog


私は離乳食・幼児食をサポートする食支援の仕事に携わっていますが、よく子育て中のママたちから「せっかくご飯を作ったのに子どもが食べてくれません」や「好き嫌いがあって食事の支度がいつも大変です」というお悩み相談を受けることがあります。そうすると必ずと言っていい程ママたちは、「私が料理を作るのが下手だから…」や「レパートリーが少ないから…」と自分に責任があると思い込んでしまう傾向にありますが、本当にそうでしょうか?

 私の経験上、教室に来てくれる子の大半は食べないことの理由の一つに、お口の発達が大きく関係しています。それは口周りや舌を動かす筋肉が十分に発達しておらず食べる機能が上手く発揮できていなかったり、歯並びが影響して食べ物を上手く噛みきれずに飲み込めない状態になっているからです。

 では、お口の機能はいつからどのように発達していくのでしょうか?実は、授乳期から離乳食期は、歯並びや口腔機能の基盤が著しく発達します。そして生涯において、食事を自分の力でしっかりと噛めるのか?また飲み込めるのか?という点に大きく影響を及ぼします。少し大袈裟?と思うかもしれませんが、乳幼児期に培った口腔機能がそのまま大人になっても受け継がれるので、子どもの頃に正しい口腔機能を持ち合わせていないと、大人になり老化していく中で口周りの筋肉が衰え咀嚼・嚥下が再び上手くできなくなるのです。乳幼児期に「食べない・好き嫌いがある・丸呑みしてしまう・落ち着いて食べれない・コップ飲み」など上手く離乳食や幼児食が進まない傾向にある方は、「今」がチャンス!見直す最も重要な時期です。

 赤ちゃんは生まれてすぐにおっぱいやミルクを飲み哺乳機能はしっかりとママのお腹の中にいる時から練習をしてくるのですが、離乳食は生まれてから始まり、これは周りにいる大人のサポートの仕方によって大きく差が出ます。通常生後5〜6ヶ月頃になると「離乳食を始めましょう」と厚生労働省でも推奨しているので離乳食をスタートする赤ちゃんが多いですが、この時期に月齢と離乳食だけに重きを置いて身体の発達を無視してしまうと、「咀嚼・嚥下・呼吸・姿勢・発音」などに大きく影響が出てしまいます。だからこそ私は人生の土台である食の始まり、離乳食期の大切さを一人でも多くの方に知ってもらいたいとの思いから、「月齢で進めない離乳食」身体とのつながりをお伝えしています。  赤ちゃんはみんな生まれた時の大きさも違えば、身体の発達ももちろん個人別です。皆がみんな同じように月齢だけで判断するのではなく、目の前にいる我が子の様子をよく観察して子どもに合った離乳食の進め方をすることを大事にして欲しいのです。赤ちゃんがどんな身体の動きをしたら、どのように離乳食を開始し進めていくのか?そのサポートの仕方を多くのご家庭で楽しみながら実践し、これからの将来を担う子どもたちの健康な身体作りをしていくことが私の夢であり目標です。

筆者プロフィール

はじめ りさ

一般社団法人 離乳食インストラクター認定講師
母子栄養協会 幼児食アドバイザー
母子栄養協会 妊産婦食アドバイザー

妊娠期のママから産後まで、『食』を通しての身体づくりについて、また離乳食や幼児食からのお口の機能・噛む力と身体の発達・姿勢についてなど、食の土台作りをサポートします。

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