「双子育児と抱っこ」
我が家には5歳娘と1歳双子、3人の子どもがいます。
2016年に長女を出産する前までは、都内の子ども病院で看護師として勤務していました。自分の子どもは自分で育てたいと思っていたため、出産を機に退職しました。
娘が1歳のときに、ベビーラップの存在を知りママほぐでもおなじみの柳川さんが講師を務め横浜で開催されているベビーラップ練習会に参加しました。高い位置での抱っこ・おんぶの快適さと布のバリエーションに魅了され、いろいろなメーカーのベビーラップを買いあさりました。
同時にもっと早くベビーラップに出会いたかったと思い、第二子を授かれたら新生児期からベビーラップでの抱っこを楽しみたいなと思いました。
2019年にDIDYMOS(ドイツのベビーラップメーカー)ベビーラップアドバイザーの資格を取得。子ども病院での経験と抱っこ・おんぶの知識を活かして子育てのお手伝いが出来たらと思っていたときに妊娠が発覚しました。まさかの双子妊娠です。
この妊娠の前に一度流産していたので、生まれるその日まで不安が付きまとう妊娠期間でした。お腹に2人入っているから、重たいし常に張っていて少し動くだけで疲れてしまう日々。
動きたい盛りの長女にはたくさん我慢させたと思います。臨月には歩くだけで生まれそうでした。休みの日には娘を遊びに連れ出してくれ、なるべく早く仕事を切り上げて帰ってきてサポートしてくれた主人と空いている週末に遠方から手伝いに来てくれた両親には感謝してもしきれません。
2020年8月に双子出産。
母子同室が始まったらスリングやベビーラップで抱っこしよう!と入院先に抱っこグッズを持っていきましたが麻酔の影響で連日起き上がるのも辛い頭痛、帝王切開の痛みでそれどころではありませんでした。
今回の妊娠が発覚した際に、娘は幼稚園に入園しているため里帰りは出来ない・私も主人も実家は遠方で長期間のサポートは不可能だったので育休取得をお願いしていました。育休取得期間は3か月。心強くもちょっとしんどい5人での生活が始まりました。
産後、帰宅した私たちを待ち受けていたのは長女の赤ちゃん返り、所属していた社会から離れ初めての新生児のお世話にピリピリする主人、どちらかが泣けば共鳴し合う双子。繰り返される泣き声に「うるさい!」と叫びたくなることも多々ありました。そう思うたびに、言ってもしょうがない、言ったらさらに泣き声が大きくなる、ここは我慢、しょうがないと自分に言い聞かせて心を落ち着かせてきました。
今だから言えるけれど、初産のママのように夫は育児ノイローゼだったしすぐ怒る主人の姿になんでそんなに怒るんだろうと私もイライラしていました。育休中は家事全般、娘の幼稚園の準備と送り迎えに遊び相手、双子のお世話を全力投球で行ってくれていました。仕事の中断や慣れないお世話に大きなストレスを抱えていたと思います。育休が明け数ヶ月経ってから、ようやく普段通りの主人に戻ったように感じました。
夫は育休取得したことにより初めて出産してお世話をするお母さんたちの戸惑いや苛立つ気持ちが誰よりもわかると思います。きっとこの経験は自分たちの子どもが成人し新しい命が宿ったときに寄り添える力になると思います。
育休が終わり大人1人に対して子ども3人での生活が始まるとタンデム(2人同時に)抱っこをしなければならない場面にも襲われました。
ベビーラップや抱っこ紐を用いて行いますが、タンデム抱っこは身体への負担が大きく長時間は出来ません。手段の1つとして2人同時に抱っこする方法もあることを知り手技を取得しておくことも大切だと思います。しかし、しなくていいならばその方がいいと感じています。もし、双子を出産して身近に抱っこ変わるよとか抱っこしてもいい?と声をかけてくれる人がいたら「ありがとう」と甘えましょう。もし、身近に双子を出産したママがいたら、ぜひ声をかけてあげて下さい。それだけで嬉しいし救われることがあります。私自身、ご近所さんや娘の幼稚園のお友達のお母さんにみてるよ、抱っこするよと言ってもらえたことで救われました。自分以外にみてくれる人がいるってすごくありがたいし、ちょっと休める時間になるのです。
我が家もそうですが、核家族化が進み夫婦ともに実家が遠方になるケースが多いと思います。住んでいる自治体の妊娠~育児中の支援が充実し簡単な手続きで利用出来たら笑顔になれる家族・妊婦さんが増えると考えます。
自分自身が双子を出産したからか、街中で双子を見る機会が多くなったように感じます。これから出産する人たちのためにも今後、多胎育児支援の拡充がされていくことを願います。また今後は、前職の知識や子育て中に得たスキルを用いて子育てされている方たちのお手伝いをしていきたいです。
筆者プロフィール
内海 さや香
看護師
養護教諭二種免許
ベビーウェアリング・アドバイザー
クレイソムリエ