「Motherhood~母であること~を喜ぶ、楽しむ、愛しむ」 #1 母であることの喜び

SanaHashimoto Article

子どもは、実はお母さんが完璧であるよりも、ほどよい程度である方が自立して育っていくことを知っていますか?ママが、私は完璧ではないけども私なりに一生懸命やっている、自分の子育てにある程度満足していること、その姿で日々子どもと向き合っていることこそが自己肯定感のある子どもを育てることにつながります。この連載では、日々小さなことで思い悩み、わが子にとって最善のことをしなくてはと思いながら、なんとかその日その日を生き延びているママたちに、肩の力をぬいてもいいことを考えるきっかけとなることを願っています。ママがママとして元気でハッピーであることが子どもの幸せの土台になります。“子ども時代”という言葉があるように“お母さん時代”という言葉はあまりきかないけども、女性の人生の中でお母さんとして生きる時間は一部の時間です。子にとっては四六時中母であるわけですが、母は母であり、妻であり、娘であり、女性であり…等々。その時間をどう生きるかはその人次第であり、この筆者である私はサイコロジストとして、一人の母親そして女性として、すべてのママたちがその時間を幸せなものと感じてほしいと願いこの連載を僭越ながら皆様に届けたいと思っています。

#1 母であることの喜び
さて記念すべき第1回目は、本連載のタイトルにもある“母であることのよろこび”について取り上げてみたいと思います。いきなりですが、今これを読んでくださっているママたちに一つ質問をしたいと思います。先に読み進める前にちょっと答えてみてください。アナログな私は紙とペンで書きだすことをお勧めしますが、もちろんスマホのメモ機能でも。

 しつもん.今日(朝読んでる方は昨日でも)一日、あなたが母親としてうれしいと感じる瞬間はありましたか?それはどんなことでしたか?思いつくだけお答えください。

 書き出してみましたか?いかがでしょう?少し眺めてみて、どんなことを思いますか?どんなことに皆さんはよろこびを感じるのでしょうか?私は2歳の娘が、何かの冊子のページをめくりながら、「おとうさんがおこりました。(めくる)おかあさんはにこにこしました。(めくる)にぃにはえんえんしました。(めくる)○○ちゃんはにこにこしました。おしまい」と感情をもりこんだお話を作ったことに驚かされました。他には、車の後部座席で4歳の長男がバナナを落としてしまった妹に自分のを「あげる」とためらいもなく差し出した時もとてもうれしい気持ちになりました。その時私はというとバナナを落とされた事実に気をとられていたのですが。私はどうも子どもの成長を目の当たりにしたときに、あるいはいままで知らなかった子どもの一面に出会うことに喜びを感じるみたいです。

 こうやって書き出してみると気づくことがたくさんあります。自分が、汚れをきれいにしないと、早くしないと臭くなる、もうやだななんて思っている間も子どもは子どもなりにその事態(バナナが落ちたこと)にそれぞれに感じることがあり、その瞬間を生きている。とても当たり前だけども、また尊いことに気づかされます。このようなドラマティックなことは我が家では毎日あるわけではありませんが。それでも「今日はご飯を完食してくれたわ、一口食べておいしいという表情を捉えることができた、夢中になって電車を見ている横顔に出くわす、朝起きたら目の前にかわいい寝顔があった」など何気ない日常的なことは探せばいくらでもあるように思います。でも日常すぎて、当たり前すぎて、流れて過ぎてしまっていることもあるかもしれない。時には是非立ち止まって探してみてほしいです。それが先の質問とそれに答えてくださった時間です。答えている内容は子どものことなんだけども、そこに喜びを感じているのは母としての自分です。立ち止まり喜びを、自分の感情を感じることで、日常に忙殺されていた自分にまた出会うことができます。

 子育ては子どものことを思えば思うほど不安を伴うものではないでしょうか。健やかに育ってほしいと思えば、体重は増えているのか、ちゃんとご飯を食べてくれない、薄着させすぎたんじゃないか、糖分とりすぎなんじゃないか、気になることがたくさん出てきます。小さい不安を集めると大きな不安になってしまいますね。その逆で、小さな喜びを集めれば、大きな喜びとなります。喜びを基盤に生活を送ることができたならば、一つひとつの不安にも向き合い対処できる、あるいはそういう心持になることができるのではないでしょうか。そしてそういう自分を喜び、楽しみ、愛しむことこそがママの自己肯定感であり、子どもの自己肯定感を育てる土壌になります。よくこういう時はどんな声掛けをしたらよいのですか?などと聞かれることがありますが、私は一般的な正解はないように思います。何を言う、何をするということよりもママがそのママらしく率直に子どもと出会うこと、ともに生きることで紡ぎだされる言葉や行動が大切と思います。その中で子どもが正解を教えてくれるものとも。ただ私らしくとはどんな感じか、特に乳児を育てていると生理的にも乳児のニーズが先に来るので見えなくなってしまうことも自然なことです。でもそのままだととても苦しくなります、そして時には自信を失ってしまいます。私らしさとは、私流の子育てとはどんなだろうか、いろんな側面から母としての自分、motherhoodをおう歌できるようなコラムを今後も書いていきたいと思います。最後にまた、しつもんです。最初のしつもんにもう一度戻って、追加がある場合は追加してもらって、書き出し尽くしてみたところで、

 しつもん. 今日一(一番)うれしかったことはなんでしょう?

 追記:しつもんに答えてみたところでの感想などぜひおよせください。また相談コーナーも設けてみたいと思います。連載のテーマに沿った形で連載の中でとりあげていきたいと思いますのでその点ご理解いただきお寄せください。

筆者プロフィール

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橋本 麻耶

サイコセラピスト、臨床心理士
PAS心理教育研究所非常勤セラピスト
某市 子ども発達相談巡回コンサルテーション講師

母は完璧でなくてもいい、ありのままの自分らしい母になろう。

オンラインで子育てサロンをやっています。  
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