「コロナ禍でのお産 〜出産編〜」
コロナ禍でのお産。本来ならば立ち会い出産を希望していたのですが、私が出産する頃には再びコロナ感染者が拡大し、立会い出産も入院中の面会も禁止、退院するまで家族とは一切会えない状況でした。
このような状況下なので、仕方のない事だとわかっていてもやはりどこか心寂しいものがありました。経産婦でもそう感じるのですから、初産婦の方はより不安に感じられる方もいるのでは?と思い「出産を控えている方の不安を少しでも取り除けるならば」と個人の感想ではありますが、ここに綴らせていただくことにしました。
私は出産前日の朝に「おしるし」がありました。このおしるし…。色を見て「お産が近いな」という事がすぐにわかりました。というのも、一人目の時には「おしるし=お産」と思っていましたが、おしるしの色によってもどの辺りで出血が起きているのか一つの目安になり、お産が近いのか?ちょっとまだ時間がかかりそうなのかということがわかるんだよ!と助産師さんに教えてもらっていました。おしるしはあるものの痛みは何も感じなかったのでそのまま過ごし、いざという時のために夫や家族には「そろそろお産が近いと思うよ」と伝えました。
この日は何事もなく過ごしましたが、夜眠りにつくと「あれ?なんか少し痛いかも?」と思い、念のため陣痛アプリで測ってみると既に5分間隔でした(笑)お産が進みやすい方法として腰と脚を温めると良いと出張マタニティクラスで聞いていたので、腰にはカイロを貼り脚にはレッグウォーマーを履いて身体を温め、呼吸も長く深く息を吐くように意識し、子宮口も圧迫しないように四つ這い体勢をとりました。陣痛の痛みの感じ方も人それぞれで、痛みを感じやすい人とそうでない人がいるそうですが、陣痛は痛いと思っていると身体が緊張して子宮口が開きにくいそうなので、赤ちゃんに「一緒に頑張ろうね~!」とお腹に手を当てながら話しかけ、呼吸をすることに集中しました。不思議と呼吸に意識を向けることで、痛みも緩和され赤ちゃんが自分の体と一体となって下へ下へと降りてきているのもよくわかりました。
そして今回は立ち会い出産はできない事がわかっていましたが私の産院では分娩室への携帯の持ち込みができ、ギリギリまで家族と会話ができる状況でした。助産師さんから「いつでも奥さんと連絡が取れるように携帯を気にして下さいね」と主人へお願いしてくれていたので主人や娘とリモートで立ち会い出産を経験する事が出来ました。自宅のリビングを見ながらの出産で不思議な感覚でしたが、家族の顔を見ながら、また赤ちゃんを感じながらみんなが一体となってお産に臨めたことは、この助産師さんなしでは叶わなかったと思います。病院でサポートして下さる先生方もいらっしゃいますが、コロナ禍で妊婦さん以外受診出来ない医療機関も多いので、病院とはまた違うリラックスした空間の中で個別に不安に思っている事のサポートを家族で受けられた事を本当に嬉しく思います。
ママたちが一人で沢山のことを背負わずに、孤独にならないよう心と体を全部受け止めてくれるこの活動は、コロナ禍の今こそ必要だなと私自身体感しています。
また出産前から伴走してくれる助産師さんがいることで、産後すぐに始まる子育て赤ちゃんのことやママの身体の事も相談しやすく、頼れる存在が身近にあるということを是非多くの方に知っていただきたいなと思います。
筆者プロフィール
はじめ りさ
一般社団法人 離乳食インストラクター認定講師
母子栄養協会 幼児食アドバイザー
母子栄養協会 妊産婦食アドバイザー
妊娠期のママから産後まで、『食』を通しての身体づくりについて、また離乳食や幼児食からのお口の機能・噛む力と身体の発達・姿勢についてなど、食の土台作りをサポートします。